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トピックス
FIPと治療法
FIPは不治の病でしたが、手遅れでなく、適切な条件が揃えばGS441524で100%寛解・再発予防できます
FIPは、不治の病でしたが、今は、手遅れでなく、適切な条件が揃えば、100%寛解・再発予防できます。
FIPが怖い点は
①不治の病
②手遅れでは特効薬のGS441524すら効かなくなります
③特効薬のGS441524で治療中、適切な条件が揃わなければ必ず再発します。
猫伝染性腹膜炎(Feline Infectious Peritonitis; FIP)は、猫の命を奪う恐ろしい病気として知られています。かつては治療法がなく、多くの猫が命を落としてきました。しかし、近年の研究により、新たな治療薬が開発され、FIPと診断された猫の予後が大幅に改善しつつあります。この記事では、FIPの基礎知識から最新の治療法まで、詳しく解説します。
発症メカニズムと病態
FIPは、致死性の高い疾患で、猫コロナウイルス(FCoV)の変異によって引き起こされると推察されていますが、変異型と考えられる全身型FCoVは、健常猫でも観られますし、年齢別のFIP発生頻度が極端に異なることから、FCoVの変異以外に、免疫異常等もFIPの発生に関わっていると考えられます。
また、平均4〜6匹出生する中、ほとんどの猫が初乳摂取不足です。初乳摂取量が少ないと、免疫だけでなく、腸管バリアも脆弱になり、結果、腸管のFCoVが全身に転移し、免疫異常等が加わりFIPを発症すると推察されます。
FCoVは、多くの猫が保有しているウイルスで、通常は腸管内で増殖し、軽度の下痢を引き起こすのみです。しかし、まれにFCoVが腸から体内に侵入し、体内の様々な臓器で増殖するようになります。これに、免疫異常等の要因が加わることでFIPを発症すると推察されます。
FIPは、猫伝染性腹膜炎という名称から、腹腔内の炎症のみを想像しがちですが、実際にはFIPは免疫過剰反応による全身炎症性の疾患であり、様々な臓器に致命的な影響を及ぼします。 すなわち、TNF-αやIL6等の過剰分泌で、血管炎や肉芽腫性病変を形成することで、多臓器不全を引き起こします。通常は、免疫の過剰反応に対して、Th2,1細胞からIL10などが分泌され、炎症は終息しますが、もともと免疫異常があると、免疫は破綻し、DICに至り死の転帰をとります。 発症すると予後不良であり、治療法が確立されていなかった時期には、ほとんどの猫が数週間から数ヶ月で亡くなっていました。
FIPは、ウェットタイプとドライタイプに大別されます。ウェットタイプでは、胸水や腹水が貯留し、呼吸困難や腹部膨満が見られます。ドライタイプでは、眼の炎症、神経症状、リンパ節腫大、臓器不全が観られます。ただ、FIPは、全身炎症反応ですから、多くの場合、ウェットタイプとドライタイプの混合型として治療したほうが救命率は上がり、再発率も下がります。
FIPの発症リスクが高い猫
FIPの発症には、猫コロナウイルスの変異だけでなく、免疫異常等の様々な要因が関与していますから、以下のような様々な要因が関連していると考えられます。
出生時、初乳の摂取量が少なく、免疫細胞だけでなく、腸管細胞及び生存に必要な様々な細胞が脆弱になり、FCoVの腸管突破や体内侵入を許容し、かつ、免疫の過剰反応が加わり、FIPを発症する危険性があります。
多くのご家庭では、タンパク質を主体とした総合栄養食フードの給与量が足りず、結果、免疫異常を誘発し、FIPを発症する危険性があります。
引っ越し、新しい家族やペットの追加、入院、大音量の生活空間、平面的な生活空間(上下移動不可)、幼児による執拗なつきまとい、ワクチン(免疫を攪乱)、環境温度管理の失宜、免疫異常な状態での不妊手術(麻酔で免疫は著しく抑制されます)などの心理的•環境ストレスがありますとFIPを発症する危険性があります。
多頭飼育や密集した環境、不衛生な環境は、心理的•環境ストレスだけでなくFCoVの感染機会を増やし、FIPの発症リスクを高めます。
ウイルス感染症(猫白血病ウイルス、猫免疫不全ウイルスなど)に罹患している猫は免疫が異常になる危険性がありますので、FIPを発症しやすいです。
品種要因として、アビシニアン、ベンガル、バーミーズ、バーマン、ヒマラヤン、ラグドール、メインクーン、ペルシャ、レックスがFIP発症が多い傾向があるようです。
年齢要因として、2歳齢以下の猫と猫白血病・猫免疫不全ウイルスに感染した高齢猫は、FIPを高率に発症します。
FIPに見られる典型的な症状
FIPの症状は多岐にわたり、ウェットタイプとドライタイプで異なる特徴があります。また、両者の症状が混在する混合タイプもあります。FIPの初期症状は非特異的であり、他の病気との区別が難しいことがあります。
初期症状
FIPの初期症状は、非特異的なものが多く、他の多くの病気でも見られる症状であるため、FIPを疑うことが難しい場合があります。典型的な初期症状は以下の通りです。
発熱(39.5℃以上)
元気消失(活動量著減)
食欲不振
体重減少
被毛の艶の消失
重い瞼と目立つ瞬膜
上下運動消失
浮かない表情、鈍い反応、好奇心や狩猟本能の消失
治療に反応しない、または、繰り返す猫風邪様症状又は胃腸炎
ねこらしい勝気の消失(子猫では、おっとりさんや、猫じゃらし無反応は絶対にありません)
これらの症状は、FIPに限らず、他の感染症や慢性疾患でも見られるため、注意が必要です。
ウェットタイプFIPの特徴的な症状
ウェットタイプのFIPでは、体腔内に液体が貯留することが特徴です。以下のような症状が見られます。
腹水(お腹に液体が溜まる)
胸水(胸腔内に液体が溜まる)
呼吸困難(胸水による)
お腹の膨満
嘔吐・下痢
ドライタイプFIPの特徴的な症状
ドライタイプのFIPでは、様々な臓器に炎症や肉芽腫ができることが特徴です。以下のような症状が見られます。
眼の炎症(ぶどう膜炎、虹彩炎、網膜剥離など)
神経症状(けいれん、運動失調、麻痺、性格変化など)
リンパ節腫大
皮膚の結節や潰瘍
混合タイプFIPの症状
混合タイプのFIPでは、ウェットタイプとドライタイプの症状が同時に、あるいは順番に現れます。
FIPの診断方法
FIPの診断には、臨床症状、血液検査、腹水・胸水検査、組織生検及びPCR検査などを組み合わせた総合的な判断が必要です。単一の検査でFIPを診断することは困難であり、各検査の結果を慎重に解釈する必要があります。FIPを引き起こすFCoVは、多くの猫が保有しているため、FCoV抗体価だけでFIPと診断することはできません。
唯一の確定診断法は、治療的診断法です。
つまり、FIP診断には、FIPに熟練した獣医師のコンサルティングが必須です。
血液検査で見られる異常値
FIPの血液検査では、以下のような異常値が見られることがあります。
白血球数の増加
リンパ球の減少
貧血(赤血球数、Hb、HCT(PCV Ht)の減少)
黄疸(総ビリルビンの増加)
総蛋白質の増加
アルブミン・グロブリン比(A/G比)の低下
α1AGやSAAの増加
γグロブリンの増加
ただし、これらの異常値はFIPに特異的なものではなく、他の病気でも見られることがあるため、診断の決め手にはなりません。
腹水・胸水検査の意義
ウェットタイプのFIPでは、腹水や胸水の貯留が特徴的です。これらの体腔液を検査することで、FIPの診断に役立つ情報が得られます。 FIPの腹水・胸水は、以下のような特徴があります。
黄色から黄褐色で、粘稠度が高い
比重が高い(1.017以上)
総蛋白質濃度が高い(3.5g/dL以上)
細胞数が少ない(主にマクロファージと好中球)
リバルタ反応陽性
組織生検、PCR検査及び治療的診断法
FIPの診断には、組織生検、PCR検査及び治療的診断が用いられます。 組織生検では、肉芽腫性血管炎や壊死性血管炎の存在、FIPウイルス抗原の検出などが診断の根拠となります。ただし、生検には侵襲性があり、リスクを伴うため、必ずしも実施できるとは限りません。 PCR検査は、体腔液や組織サンプル中のFIPウイルスの遺伝子を検出する方法です。FIPウイルスに特異的なプライマーを用いることで、高い感度と特異性が得られます。ただし、FIP罹患猫の約20%がPCR検査で陰性になりますので、確定診断法ではありません。
治療的診断法は、最も信頼ができる唯一の確定診断法で、FIPの特効薬であるGS441524は、他の疾病には100%無効ですから、GS441524で、わずかでも改善が観られたら、100%FIPと診断できます。ただし、手遅れでGS4415124すら無効なFIP猫は、治療的診断はできません。
最新のFIP治療法
人のコロナウイルス感染爆発のお陰で、「GS441524」、「EIDD-1931;モルヌピラビル」、「テノホビル」及び「エンテカビル」などの抗ウイルス薬や、イベルメクチン、クロファジミン用いた治療法が開発され、FIPの治療に新たな光が当てられています。FIPに著効する、いわゆる特効薬はGS-441524でFIPウイルスの増殖を抑制し、生存率を大幅に改善することが報告されています。
特効薬のGS441524
GS441524は、ギリアド・サイエンシズ社が開発した nucleoside analogue で、FIPウイルスの複製を阻害する作用があります。この薬剤を用いた治療法は、FIPの生存率を大幅に改善することが報告されています。
GS441524は、FIPウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、ウイルスの複製を抑制します。In vitro の実験では、GS-441524がFIPウイルスの複製を効果的に抑制することが示されています。 また、臨床試験では、GS-441524を投与されたFIP罹患猫の生存率が大幅に改善したことが報告されています。投与を受けた猫の80%以上が、FIPを克服し、長期生存が得られたとされています。
弊クリニックでは、手遅れでないFIP猫は、適切な品質と投薬量、ご家族による確実な投薬、免疫改善、ストレス軽減対策及び不妊手術の適切な時期の条件が揃えば、100%寛解し、再発もありません。
GS-441524は、皮下注射または経口投与で行われます。一般的な投与方法は以下の通りです。
初期投与:1日1回、20mg/kgを皮下注射で3-5日間、わずかでも効果が観られたら、10mg/kgの皮下注射に変更
GS441524の初期注射では、GS441524の吸収を促進するため、ビタミンABCDEやグルタチオンを含む皮下補液を行う必要があります。その際、抗生剤とステロイドも注射します。
メンテナンス投与:1日1回、10mg/kgを経口投与で79-81日間
GS441524注射でわずかでも、臨床的な改善が観られたら、GS441524の錠剤に切り替えて投薬。この段階では、皮下補液と抗生剤・ステロイド注射は不要ですが、必要に応じて継続する場合もあります。
GS-441524の副作用は比較的少ないとされていますが、ごくまれに、以下のような副作用が報告されています。
注射部位の反応(腫れ、痛み、発赤など)
食欲不振
嘔吐
下痢
脱毛
皮膚炎
色素沈着
膀胱炎
呼吸困難(子猫に多く、GSの一時休薬と酸素下管理が必須)
耳折れ
GS441524の耐性発現についてですが
再発を繰り返し、一年以上のGS441524投与にもかかわらず適正量投与で寛解したケースがありますので耐性は出来にくい抗ウイルス薬と考えられます。
FIPは、免疫異常が原因と思われますので、GS44152投与に加えて、免疫を盤石にする措置が必須です。免疫改善としてましては
NV1
βNMN
プラチナナノコロイド
肉、魚肉
マルチビタミン•ミネラル、必須脂肪酸•アミノ酸(猫用粉ミルク)
モルヌピラビルを用いた治療法の概要
モルヌピラビルは、人のコロナウイルス感染症では、軽症患者が重症化しないために処方され、重症患者には、GS441524の前駆体であるGS5734(レムデシビル)が投与されますから、症状がでた時点で重症であるFIP罹患猫には、理論的に効きません。 臨床的には、20mg~90mg/kgの範囲でほぼ無効で、ごくまれに、症状が回復しても早期に再発を繰り返し、結果、GS441524で効くチャンスすら失います(FIP経過が長いとGS441524すら効かなくなります)。 GS441524と異なり、深刻な副作用があり、深刻な副作用を起こす投薬量と有効投薬量が近似です。 臨床現場で実際に観られた深刻な副作用として
急性腎不全
糖尿病
癌
実際の臨床例として、はじめにGS441524投与で、FIPを軽症化すればモルヌピラビルをFIP治療につかえますが、長期的な再発率や副作用について不明な点が多く、かつ、特効薬で深刻な副作用がないGS441524には、モルヌピラビルの正規品とほぼ同じ値段の、高品質の製剤がありますので、あえてモルヌピラビルを使うメリットは全くなく百害あって一利なしです。 最近、人の承認薬で、倫理的にも道義的にも問題がないと、多くの動物病院で、モルヌピラビルが処方されていますが、ほとんどが、GS441524による寛解治療の経験がない獣医によるもので、当然、効かない又は再発を繰り返す症例が多発し社会問題になっています。 最も憂うべきことは、獣医が、猫、ご家族からGS441524で治るチャンスすら奪う罪です。
「テノホビル」及び「エンテカビル」などの抗ウイルス薬や、イベルメクチン、クロファジミンを用いた治療法の概要
テノホビルやエンテカビルは、臨床例はありませんが、コロナウイルスとは違うタイプのウイルスアがターゲットで、GS441524程の効果は期待できませんし、適正な投薬量や副作用も不明ですから、現時点ではあまりおすすめできません。 クロファジミンは、全く効果がありませんでした。 イベルメクチン(0.5mg/kg)では比較的効果がありましたが、重篤な貧血の副作用が見られ中断し、GS441524投与で寛解しました。今後、投薬量を0.2〜0.3mg/kgに調整すれば補助的に使える可能性はあると考えます。ちなみに、人のコロナウイルス感染症では有意な効果がなかったという報告もあります。
定期的な経過観察と治療効果のモニタリング
FIP治療中は、経過観察が必要です。以下のような点を評価しながら、治療効果をモニタリングします。一番信頼できる回復の指標は、検査値ではなく、臨床症状で
食欲
活動性
体重
胸水があるタイプであれば呼吸
腹水があるタイプであれば腹囲
黄疸があるタイプであれば尿色
検査値は、臨床症状の回復よりかなり遅れて回復しますし、何より、ストレスは厳禁のFIP治療ですから、検査は、投薬終了可否判断を目的にした投薬終了約10日前(投薬74日くらい)1回が適切だと考えます。
血液検査項目は
タンパク分画
α1AG
のみで
FCoV抗体価は、寛解後も高値を維持しますそので、検査意義は全くありません。
寛解
投薬終了後90日まで臨床的に異常がなければ寛解ですが、FCoVは体内に潜んでいますので、免疫が異常になれば再発します。
そのため、盤石な免疫を維持する必要があります。
再発の原因
品質の不良のGS441524製剤
投薬量の不足(現体重ではなく、適正体重で投薬量は決めるべき)
治療はじめからのモルヌピラビル投与
ご家族による投薬失宜
心理的•環境ストレス
投薬終了寛解前の早期の避妊手術(麻酔による免疫抑制)
治療期間における免疫改善措置なし
再発時の血液検査等の問題点
多くの再発の場合、血液検査やPCR検査は正常ですから、疑われたら、間髪をいれず、治療的診断をおすすめします。
寛解数年後の再発症例
猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルスに感染している猫で、再発が観られ、GS441524は全く効果がありませんでしたが、ありとあらゆる治療法で、現在、FIP症状の胸水は治り、食欲、元気が回復、経過観察中です。治療詳細は、寛解後に公表予定。
寛解後のFCoVの存在と意義
ヘルペスウイルスと同じで、GS441524で増殖を抑制し、寛解しても、FCoVは体内に潜んでいます。そのため、血液中のFCoV抗体価は、寛解後も依然、高値を示します。つまり、免疫が異常になれば、再発しますし、GS441524すら効かなくなります。
FIPの後遺症
突然死
FIPは全身炎症ですから、GS441524で回復しても、心臓への影響が残り、心筋症の基礎疾患があるFIP罹患猫が、食欲、元気、体重の回復にもかかわらず突然死することもあります
血栓性塞栓症
FIP治療終了後、後肢麻痺、肺水腫を発症。心臓の炎症が原因と考えられます
味覚障害
元気はありましたが、突然、フードを食べなくなりましたが、種類を変えたら、しばらくして食欲は回復
不全麻痺
これは、NV1とβNMNの再生医療で回復
脳脊髄液の排出路障害
これは、NV1とβNMNでも回復は困難なようです
網膜剥離
これは、NV1とβNMNでも回復は困難なようです
オンライン診療を活用したFIP治療の可能性
近年、獣医療分野でもオンライン診療が広がりつつありますが、
FIP治療は、初動が極めて重要ですから、できれば、FIP寛解経験の豊富な獣医による対面診療が望ましいです。 すなわち、治療始めの注射に対する反応次第で、時機を得た投薬量の変更が必要になります。この初動で失敗しますと、回復しても再発しますし、GS441524で救命でき得る猫も亡くなります。
猫慢性腎臓病と治療法
猫死亡原因TOP1の慢性腎臓病は末期でなければ悪化は予防でき長寿を期待できます
慢性腎臓病の原因
これは、これまでよくわかっていませんでしたが、猫ちゃんの生理や、革新的な治療に対する反応により、遺伝的な水分摂取不足が主因であると推察されます。
すなわち、
猫は水分の少ない砂漠で生きていた動物を祖先として、飲水量が少なくても、体内で発生した尿毒素を、効率よく排出できます。すなわち、腎臓での尿毒素の濃縮率が高く、その分、腎臓の仕事量、つまり、腎臓への負荷が多くなり、結果、疲弊する年齢が早まります。加えて、腎臓内で濃縮された原尿は、高濃度の尿毒素等であり、これ自体で尿細管の詰まりや、尿細管と周辺細胞の炎症、それに続く壊死、線維化を誘発します。以上の二点が慢性腎臓病の真の原因と考えられます。
一方、鳴物入りで華々しく登場したAIMですが、生来、猫ちゃんのAIMは進化的に封印され、生涯働きません。AIMは、不要物に付着して、貪食細胞等による除去処理を促す働きがあります。猫の、慢性腎臓病の重要な病態として、尿細管の詰まりがあり、AIMはこの詰まりを除去します。ですから、このAIMが生涯働かないから、猫には慢性腎臓病が多いと、AIMの発見者、AIM製剤の開発者である宮崎博士は唱えていますが、要は、尿細管の詰まりの原因と、慢性腎臓病のもう一つの重要な病態である尿細管と周辺細胞の炎症の原因こそが慢性腎臓病の真の原因だと考えます。
生物は、適者生存の原理により、遺伝的に進化します。その結果、猫ちゃんの場合は、AIMが封印されました。つまり、慢性腎臓病の真の原因を解決せずして、AIMだけを投与することは、生存のための進化に反することで、大きな弊害がでる考えられます。詳説は、後程述べます。
慢性腎臓病の病態
腎臓の本来の機能が損なわれ、体内尿毒素量の増加、抗利尿ホルモン感受性低下による再吸収水分量の減少(多尿)、酸塩基等の排出障害で酸性化、エリスロポエチン産生量低下による貧血、ミネラル排出障害による高リン血症、活性化ビタミンD3低下、上皮小体ホルモン(パラソルモン)亢進、高血圧等が観られます。
ただ、高血圧は、多尿による腎臓循環血液量減少に対する代償作用(全身の血管を収縮させ、Naの再吸収を促進することで腎臓循環血液量を増やし腎臓を護る作用)によるものと推察されます。
体内の尿毒素量増加は、全身の炎症を引き起こし、腸管のバリアと腸内細菌叢を破壊します。また、尿毒素自体で腎臓病を増悪させ、腸管のバリアと腸内細菌叢の破壊は、更なる尿毒素の産生量を増し、かつ、エンドトキシン等の毒素や細菌、ウイルスの体内侵入を許容して、悪循環に陥り、致命的な事態を招きます。
慢性腎臓病の症状と検査結果
嘔吐、酸性化による呼吸数増加、食欲不振、元気消失、毛艶不良、体重減少、高血圧、多尿、貧血、腎数値(SDMA、BUN、Cre)の上昇、血中無機リン値上昇、腎臓萎縮、タンパク尿。
慢性腎臓病の好発要因
品種による違いはありませんが、若齢時から、飲水量が少ない、または、飲水量の少ないフードを摂取する猫は、高率に慢性腎臓病が発生します。早い猫で、8歳くらいで観られ、多くは、10歳過ぎに発症します。猫の80%以上が慢性腎臓病に罹患し、慢性腎臓病は、交通事故を除く死亡原因の第一位になっています。
ミネラルや塩分の多い、つまり、腎臓に負担をかける、味の濃い、人の料理を食べる猫は、キャットフードを食べる猫より、かなり早期に慢性腎臓病に罹患します。人用の削り節や、晩酌のつまみ等を食べる猫は、5歳くらいで、慢性腎臓病に罹患します。
慢性腎臓病と、その他の泌尿器疾患との関連性
猫の疾患で多いのは、膀胱炎、結石症、尿路閉塞等の泌尿器疾患が多いです。これは、慢性腎臓病と同じ、水分摂取不足が主因であると考えられます。
膀胱炎を繰り返したり、尿路結石ができたりする猫は、尿路閉塞を起す危険性が高まりまり、これが、急性腎臓病を引き起こし、引いては、慢性腎臓病になります。この尿路結石症の既往歴がある猫は、かなり深刻で、慢性腎臓病悪化防止の治療を不可能にしますので、絶対に避けたい疾病です。
ビジネス至上主義の獣医の罪の一つとして、膀胱炎で、リン酸アンモニウムマグネシウム(ストルバイト)の結石ではなく、結晶が確認されたからと、pHを下げる療養食を処方すること、または、尿路閉塞の原因が、ストルバイトの場合で、長期にわたってpHを下げる療養食を処方することがあります。まず、前者の膀胱炎では、尿pHの上昇から、ストルバイト結晶がでるのは当たり前で、膀胱炎の原因ではありませんから、pHを下げる療養食を処方すべきではないです。また、後者のストルバイトによる尿路閉塞の場合でも、長期に及ぶpHを下げる療養食の処方は控えるべきです。理由は、溶解不可能な、シュウ酸カルシウムの結晶、結石を作り、腎臓への悪影響もあり、慢性腎臓病悪化防止のための治療を不可能にします。最近、シュウ酸カルシウム対策にもなるUT cleanCaというサプリもあるようですが、効果は一定していません。
慢性腎臓病の治療の実際、可能性及び限界
慢性腎臓病は確実に悪化する病気として、積極的な治療はなされいません。根本療法というより、対症療法がメインであり、例えば、タンパク制限、リン制限、リン・窒素態化合物の腸内吸着•減少、造血ホルモン投与、輸血、療養食などで、いずれも、慢性腎臓病悪化は防止できず、加えて、猫の生活の質を著しく損ねます。
数年後にAIM製剤が販売される見込みです。これは、予備試験で慢性腎臓病末期猫でも救命できましたが、投与を中止したら亡くなりましたので、AIM製剤は、血中の尿毒素処理効果(透析効果)のみで、慢性腎臓病の治癒や慢性腎臓病悪化防止は不可能であることを、引いては、多尿、貧血、血中無機リン値の上昇、血中活性型ビタミンD3値の減少、血中上皮小体ホルモン(パラソルモン)値上昇、腎臓萎縮、タンパク尿及び高血圧は改善できないことを示唆していますから、AIMに関する過度で誇大な宣伝は慎むべきであり、AIMへの過度の期待も控えたほうがいいと思います。
確かに、AIMは、透析効果で、慢性腎臓病の末期の猫も救命できますが、恐らく高額になるであろうAIM製剤を生涯、定期的に静脈注射する必要があります。夢の薬のようですが、現実的ではありませんし、もっと、現実的で猫の生活の質を下げない治療法があります。
この現実的な治療法は、確かに、腎臓の再生は弱いようですが、明らかに、慢性腎臓病の悪化は防止でき、症状等が改善できます。ただ、慢性腎臓病の末期猫は難しと思われ、その場合は、透析効果のあるAIMが役立ちます。
慢性腎臓病は、末期でなければ、慢性病の悪化を防止し、食欲、元気、かつ、体重を回復させる治療法はあります。
ただ、以下の猫は、この慢性腎臓病悪化を防止する治療法はできませんし、むしろ禁忌です。
1 治療を要する、うっ血性心不全の猫
2 尿路結石による尿路閉塞の既往歴があり結石が残存する猫
3 稀ですが、末期で尿産生が著減または停止している猫
慢性腎臓病の悪化を防止する治療法ですが、基本、慢性腎臓病の原因を考慮に入れた、かつ、再生もはかった治療法になります。
水分補給
・毎日の皮下補液 300~500ml
内容は、必ず、腎臓血液循環量を増し、細胞内に入る自由水が多少あり、NaやClが少ない、かつ、酸性化を是正する乳酸リンゲルです。ただし、重篤な肝臓障害がある場合は、酢酸リンゲルです。酢酸リンゲルの欠点は、皮下への刺激性があることと、血管拡張作用があることです。
生理食塩水、リンゲル及びブドウ糖液は控えます。
・腎臓血液循環量に加えて、細胞内に移動する自由水を補給する目的で肉や魚肉を味付
けなしで茹でた茹で汁を冷まして給与、及びウエット総合栄養食と合わせて、水分含量の多い、肉や魚肉を茹でてあげる
*肉中のリン含量を心配される方は、炭酸ランタンを投与
猫の場合、人や犬と異なり、亡くなる当日まで、多量の尿産生があり、慢性腎臓病悪化防止の治療を容易にします。
猫のAIMを活性化させ尿細管の詰まりを除去
グルタチオンとLシスチンの経口投与
慢性炎症の抑制
ラプロスとアスタキサンチンの経口投与
降圧
アムロジピン(カルシウム拮抗薬)
ベナゼプリル(フォルテコールで、アンジオテンシン変換阻害薬)
テルミサルタン(セミントラで、アンジオテンシンII受容体拮抗薬)
べラプロストナトリウム(ラプロスで、プロスタサイクリ受容体を介した作用)
*多尿(高血圧の原因)に対応する相当量の皮下補液や経口補液をせずに、上記の降圧剤を投与すると慢性腎臓は悪化しますので“禁忌”です
*ベナゼプリル、テルミサルタン又はべラプロストナトリウムなどの1剤で降圧効果が得られなければ、アムロジピンとの併用が必要になります
高リン対策
炭酸ランタン
その他のリン吸着剤
*腎臓からのリン排出が減り、高リン血になります。高リン血では、血中カルシウムとの結合及び活性型ビタミンD3の減少が観られ、結果、カルシウム低下の圧がかかり、上皮小体ホルモン増加及び石灰化を招きます
上皮小体機能亢進が過度になりますと、血中カルシウムが正常でも、多量の上皮小体ホルモンが分泌され、高カルシウム血症になる猫もいます。
上皮小体ホルモンは、腎臓での、リン利尿で、リンの排出を促進しますが、慢性腎臓病では、腎臓のリン排出機能が低下しています
一方、上皮小体ホルモンは、骨吸収、つまり、骨から血液へ移動するリンが増しますので、慢性腎臓病での高リン血症は増悪します
よって、高リン対策は重要になります
再生の促進
NV1とβNMNの経口投与
尿毒素の産生量抑制と慢性腎臓に効く水素の発生量増加
プラチナナノコロイド(悪玉菌を唯一殺せます)、腸内バイオームウエット(ヒルズ)、ラクツロース及び善玉菌
その他慢性腎臓病に効果のあるサプリ
水素24時間発生ケイ素製剤の経口投与
慢性腎臓病の線維化組織の融解と再生
無毒化幹細胞培養上清の静脈注射
活性型ビタミンD3低下対策
活性型ビタミンD3は、上皮小体ホルモンと同じく、カルシウムの骨からの動員、腎臓からのカルシウム排出抑制及び腸でのカルシウム吸収の促進がありますが、リンの調整に関しては、上皮小体ホルモンと同様に、リンの骨からの動員を増し、かつ、上皮小体ホルモンと異なり、腎臓での再吸収を促進し、かつ、腸での吸収を促進しますので、慢性腎臓病での高リン血症におきましては、好ましくないビタミンです
よって、活性型ビタミンD3低下対策はありません
慢性腎臓病悪化防止治療を阻害する人為的な因子
多くのかかりつけ獣医の慢性腎臓病に対する洞察力・考察不足による弊害です
多くのかかりつけ獣医は、
以下の理由で、最も重要な皮下補液を制限し、毎日、慢性腎臓病を悪化させています
・肺水腫
治療を要するうっ血性心不全、尿路閉塞、または尿産生著減・停止がなければ肺水腫にはなりません。
・高血圧の悪化と弊害
慢性腎臓病では、多尿により腎臓血液循環量が減り、更に慢性腎臓病は悪化しますから、腎臓は防御反応として、レニン-アンジオテンシン・アルドステロン系の作用で血管を収縮して、かつ、Naの再吸収を促進して、結果、腎臓血液循環量を改善します。これが高血圧の原因です。
そのため、慢性腎臓病では、相当量の皮下補液は必須になり、相当量の皮下補液をせずに降圧剤を投与しますと慢性腎臓病は悪化しますので、相当量の皮下補液なしの降圧剤使用は禁忌です。
確かに、高血圧は、心臓、血管及び臓器に悪影響を与え、失明のリスクも高め、何より、タンパク尿で慢性腎臓病を悪化させますから、降圧剤の投与は必要です。
そのためには、相当量の皮下補液は必須になります。
・貧血が増悪する
尿としてでる水分排出速度は、皮下補液水分の血管流入速度よりはるかに速いですので、理論的にも実際も、貧血が進行することはありません。
・腎臓による水分再吸収能力が下がる
慢性腎臓病では、抗利尿ホルモンの感受性が鈍り、水分再吸収能力はすでに低下しています(多尿)ので、皮下補液で、さらに水分再吸収能力が低下することは考えられません。仮に水分再吸収能力が更に低下しても、経口水分補給により、細胞内への自由水の補給はできますし、腎臓血液循環量は相当量の皮下補液で十分に補えます。
慢性腎臓病の予防
これは、非常に簡単で、人や犬のように、腎臓に負担を与えない相当量の水分摂取につきます。
あとは、猫のAIMを活性化させるグルタチオンやLシスチン(サプリまたはAIM30という名称のフード)の投与
*AIMは、尿細管の詰まりを取る作用が期待されていますが、相当量の水分補給を伴わないと、腎内マクロファージによる尿細管や周囲細胞の炎症、引いては慢性腎臓病の悪化を誘発する危険性があります。理由は、AIMは慢性腎臓病の元凶となる悪玉マクロファージの細胞死を抑制する可能性があるからです。
ウエット中心のフード、肉や魚肉、肉や魚肉を茹でた汁、新鮮な水、カルキ臭のない水
凍った水分が含まれるペットボトルの放置、冬季における給与水分保温などです。
*ドライフードを減らすと歯石や口内炎になると心配される方は、環境大善のきえーるや歯磨き効果のあるグッズなどがおすすめです。
AIMとAIM30フードについて
AIMの働きと問題点については、上記で述べました。AIM30には、決してAIMは含有されておらず、猫のAIMを活性化するLシスチンが含まれるだけで、そのLシスチンが、実際に猫体内で、猫のAIMを活性化する証拠はありませんし、また、上記で述べました通り、相当量の水分補給を伴わずにAIMだけを活性化すると、逆に腎内の炎症や慢性腎臓病を悪化する危険性がありますので、AIM30やLシスチンサプリをあげる場合は、必ず、相当量の水分補給をしましょう。AIMは諸刃の剣であり、末期を除く慢性腎臓病猫は、水分補給を十分にした上でAIMの功罪のうち功のみを受け、慢性腎臓病悪化を防止しましょう。
療養食とタンパク質制限について
まず、上記の慢性腎臓病悪化防止の治療法を実施すれば、旨みのない療養食やタンパク質制限は、一切不要です。猫の生活の質を下げるべきではないです。
あと、タンパク質が多いと、腸内悪玉菌により、多くのアンモニアや尿毒素が産生され、慢性腎臓病を悪化させる危険性がありますが、
上記の、慢性腎臓病悪化防止の治療では、悪玉菌を唯一殺しかつ善玉菌を増やすプラチナナノコロイド、善玉菌及び善玉菌を増やすラクツロースを与えていますので、タンパク質からの尿毒素産生や尿毒素吸収は抑えられます。
逆に旨みのない療養食やタンパク質制限は、猫の摂取量不足を招き、結果、猫自身の筋肉を削り、多くの尿毒素を産生し、慢性腎臓病は悪化します。何より、旨みのないフードを食べることで生活の質は著しく低下します。
タンパク質は、癌予防、自然治癒力、長寿及び猫の幸せには必須の栄養素です。誰が一番得するのでしょうか?
今一度、猫ちゃんの可愛い澄んだ瞳を見て、猫ちゃんに語りかけて
Thinkしましょう!
動物病院を選ぶ基準
動物病院も生業ですが、サービス業。診療技術の前に良識のあるカスタマーサービス
いい動物病院、いい獣医とは?
基準は人それぞれで、いろいろな意味の相性も大事です。やはり、正確な確定診断に基づいた適切な処置、治療及びコンサルティングは極めて重要であり、その判断材料として、華々しい学歴、経歴、所属学会、認定医資格及び口コミがあります。
ワンちゃん、猫ちゃん及び人の生理、病気の数及び病態はほとんど同じですから、全ての病気を診れる獣医など存在しません。限られた得意分野を明確にし、経験不足で正確な診断ができない場合又は治療技術がない場合、謙虚に他院を紹介することは、ご家族目線に近いと思います。
そして、同じく重要で不可欠なものが良識あるカスタマーサービスです。獣医療は、生業ですが、やはりお客様から対価を頂くための誠意、真心は必須です。
ただ、お客様は神様ではありませんから、ご家族もサービスを受ける立場として対等で、信頼関係に基づいた対応をすべきです。理不尽に診療費を値切ったり、診療費を踏み倒したりして不幸な人生を歩んではいけません。お互い様の精神、感謝の気持ちで、動物病院もご家族ものぞむべきです。
長生きの秘訣は、免疫と老化抑制です
わんちゃん、猫ちゃんは、癌等の病気や老化で亡くなりますので、長寿の秘訣は、①腸内悪玉菌を積極的に叩き若い頃のように善玉菌を増やす ②盤石な免疫をつくる ③炎症を抑える ④活性酸素を効率的に除去する ⑤ミトコンドリアを盤石にする ⑥サーチュインを増やし、サーチュインの作用を強める
ワンちゃん、猫ちゃんは人と同じで、癌等の疾病や老化で亡くなります。
癌や疾病の多くは、免疫異常、炎症、活性酸素等が原因ですし、老化は、ミトコンドリアの老化やテロメアの短縮と言われていますから、疾病や老化を抑える方法は、①プラチナナノコロイドの投与で悪玉菌を叩く(➡善玉菌が増える)ことで、免疫を強化し、炎症を抑え、毒素の産生を抑え、水素の発生量を増やす ②最強乳酸菌、NV1(フコイダンの約5倍)を投与して免疫改善 ③βNMNとアスタキサンチンを投与して、長寿タンパク質のサーチュインの量を増やし、サーチュインの作用を強める ④プラチナナノコロイドの投与で全ての主要な活性酸素を除去し、アスタキサンチンの投与で活性酸素から生体膜を護る ⑤水素の補給で活性酸素のヒドロキシラジカルを除去し、免疫チェックポイント(癌細胞が除去されないように免疫にブレーキがかかる)を阻害し、プラチナナノコロイドとともに癌細胞の増殖を抑える
ワクチンや治療ができない凶暴猫。猫ちゃんの気持ちになれば何でもできますし、猫ちゃんの心の傷や寿命への影響も減ります
心に傷があるから猫ちゃんは凶暴になり、それを理解せず無理をおせば優しさがひっこみ寿命が短くなります
猫ちゃんと人も動物で、心身防御本能が遺伝子に刻まれています。人の場合は、社会的動物ですから、更に、劣等感コンプレックスが加わり、殺人や、交通事故、いじめが自然発生します。
猫ちゃんは、人の焦り、イライラ、怖れ、心配などを瞬時に察知し、猫ちゃん自身の恐怖感が増し、心の傷が深くなります。
まず、ご家族や獣医は、凶暴なのは、猫ちゃんの心の問題であると理解して、凶暴や処置困難等を問題視せず、平常心で穏やかな気持で臨みます。
選択ネット、保定袋、タオル等を駆使して、まず、猫ちゃんに隠れた気持ちにさせ、諦めさせます。猫ちゃんの隠れた気持ちと諦めがないまま強引に進めると、間違いなく、猫ちゃんのパニックスイッチを押します。そうなりますと、何もできなくなりますし、猫ちゃんの心の傷を更に深くし、猫ちゃんの寿命を縮めてしまいます。
猫ちゃんが隠れた気持ちになり、諦めたら、優しい穏やかな声で、励まし、褒めながら、”迅速”に処置を終えます。時間制限がありますから、焦らず素早く行動することが肝要です。
ちなみに、猫ちゃんは、ワンちゃんや人と異なり、躾はほぼ不可能で、更に凶暴になったり、病気になったり、寿命が短くなったりします。
万病と老化の原因である活性酸素。活性酸素から最強に心身を護れるのはプラチナナノコロイドとアスタキサンチン
主要な活性酸素を全部除去できるのは、プラチナナノコロイドだけ。活性酸素から生体膜を護れるのはアスタキサンチンだけ。
活性酸素には、スーパーオキシドアニオンラジカル、過酸化水素、一重項酸素、ヒドロキシラジカルなどがありますが、水素、ビタミン、グルタチオン、カタラーゼ、αリポ酸、リコピンなどの抗酸化物質がそれらを除去してくれます。ただし、主要な活性酸素の全てを除去できるのは、プラチナナノコロイドだけです。つまり、活性酸素を除去する万能抗酸化物質は、プラチナナノコロイドだけです。細胞の健康や寿命に関わる生体膜は、活性酸素の連鎖反応により、脂質ペルオキシラジカルを経て過酸化脂質ができます。この有害反応から生体膜を護れるのはアスタキサンチンだけです。
その他の抗酸化物質は、除去できる活性酸素に限りがあり、ほとんどの活性酸素から無防備です。
プラチナナノコロイドは金属ですが、ナノ化したプラチナは、体内に蓄積されずに体外に排出されますから安心です。
AIMは製剤AIMで、まだ流通してません。AIM30フードは流通していますが、AIMは含まれていません。
製剤AIMの静脈注射は生涯継続で、中断したら亡くなる透析と同じで、AIM30フードだけで慢性腎臓病の状態は改善しませんし予防もできません。やはり、相当量の水分補給が必須です
慢性腎臓病は、本来、体外に出すべき尿毒素が全身の炎症をおこし、死に至ります。製剤AIM静脈注射は、この血液中の尿毒素を取り除く透析効果があるため、症状が改善し救命できますが、注射を中断したら亡くなります。つまり、慢性病末期猫ちゃんは、製剤AIMを投与しても腎臓機能は回復しません。
今のところ、無毒化最高濃縮幹細胞培養上清液、βNMN、アスタキサンチン、グルタチオン及びLシスチンだけでは、慢性腎臓病末期猫ちゃんは、相当量の皮下補液で悪化を防いでも、救命するのは難しですが、現在、更に、腎臓壊死・老化細胞を除去する史上最強自然免疫活性化物質や、プラチナナノコロイドを追加して効果を観察しています。
AIM30に含まれる、Lシスチンは、AIMではなく、透析効果はありませんから、慢性腎臓病末期猫ちゃんを救命できません。Lシスチンは、慢性腎臓病初・中期猫ちゃんの腎臓機能を回復させることや、慢性腎臓病を予防することが期待されていますが、いずれも、慢性腎臓病の主因である、水分不足を是正しなければ、難しいです。
やはり、相当量の水分補給をして、慢性腎臓病を悪化させないことが極めて重要です。また、相当量の水分を補給することで、腎臓への負担も減り、腎内尿路が詰まることも、炎症が起きることも軽減され、引いては、慢性腎臓病を、自然に効果的に予防できます。
猫ちゃんの死亡原因、No1は慢性腎臓病、No2は腫瘍です。これを制すれば長寿は可能です
遺伝的に飲水量が少ないから慢性腎臓病になり、自然免疫が弱るから癌になり老化します
猫ちゃんはの多くは、慢性腎臓病や腫瘍で亡くなりますので、この病気を予防すれば、自然と長生きできます。
猫ちゃんは、遺伝的に少量の飲水で、危険な尿毒素を体外に排出することができます。そのため、腎臓が疲弊することが早いですし、高濃度の尿毒素の影響で、腎内尿路は詰まりやすくなり、かつ、炎症、壊死、線維化を招き、結果、慢性腎臓病になります。であれば、若い時から、猫ちゃんに水分摂取をまかせずに、ありとあらゆる努力と工夫をして、猫ちゃんの水分摂取量を増やすことが、慢性腎臓病の予防になります。
老化細胞が自然免疫によって除去されないと、老化細胞は正常な細胞まで老化させ、引いては癌化します。自然免疫が盤石であれば、老化細胞も癌細胞も容易に除去され、癌や老化は抑制されます。
この自然免疫を、最強に活性化する物質は、これまでフコイダンでしたが、最近、このフコイダンの約5倍の力がある物質が発見され、これに、βNMN、アスタキサンチン及びプラチナナノコロイドを加えれば、癌を治癒、予防できますし、かつ、老化を抑制できます。人と異なり、猫ちゃんは、癌を認識できませんから、不安、恐れ、心配による自然免疫の抑制がありません。そのため、自然免疫強化による癌治療や老化抑制の効果が出やすいです。ちなみに、抗癌剤は、効かない上に、副作用が激烈でQOLを著しく下げます。最悪なのは、癌を駆逐し老化を抑制する自然免疫をズタズタにします。
人口甘味料が含まれる薬、フード等を猫ちゃんやワンちゃんに
あげるかあげないかは自己責任で
人工甘味料は毒性が許容範囲でも危険性はゼロではありませんから、心配ならあげない
人では、生活習慣病予防やダイエットの観点から、糖質ゼロの食品や飲料水が賑わいを見せています。
糖質の代わりに、低コストの人工甘味料が使われていますが、その毒性も指摘されています。毒性の許容範囲であれば法律的にはOKですが、やはり、許容範囲でもリスクはゼロではありませんし、安価な輸入物を使う企業が多い中、合成に使われた有毒な化学物質が残留している危険性もあります。
人工甘味料は、人では薬品の添加剤としても使われ、猫ちゃんやワンちゃんのフード等にも含まれています。
人、猫ちゃんまたはワンちゃんも、やはり、最後は、自己のまたはご家族の判断で決めるべきだと思います。
ちなみに、私は、人工甘味料の毒性については承知の上で、日常的に、ダイエットコーラやノンアルコールを好んで飲んでいましたが、最近、目の不調を感じ、一旦、人工甘味料の含まれる飲料水をやめました。すると、目がスッキリ。含まれるアスパルテームは、体内で、一部はメタノールになりますので、目の不調がでるのは、至極当然です。これを機に、ダイエットコーラはやめて、炭酸水と、人口甘味料フリーのノンアルコールビールを飲んでいます。
猫ちゃんのBIG WAVE到来!
FIPはGS441524で、慢性腎臓病はAIMで救命可能
次は、リンパ腫、猫白血病・エイズの救命
猫ちゃんの生命を脅かす疾病は消えつつあります。
人のCOVID19の感染爆発により、猫ちゃんの不治の病であるFIPも、手遅れでなければ100%救命できるようになりました。また、宮崎博士のAIM製剤開発により、慢性腎臓病で亡くなる猫ちゃんもいなくなります。ただ、AIM投与でも、慢性腎臓病後期の猫ちゃんは、腎臓の再生は不可能で、尿毒素の除去、すなわち、透析効果のみを期待できますので、貧血がある場合は、ホルモン剤投与、輸血等の処置が必須になります。また、定期的な静脈注射が必要ですから、水分補給量を増やし、慢性腎臓病の悪化を防ぎましょう。リンパ腫は、抗癌剤が比較的有効ですが、再発し、副作用も強く、結局亡くなる場合が多いですし、再生医療でも功を奏しません。イベルメクチンは抗癌作用があり、リンパ腫猫ちゃんの症状が改善しました。また、猫白血病や猫エイズは、逆転写酵素の働きでウイルスが増殖します。この逆転写酵素に作用する核酸アナログ製剤を投与すれば、猫白血病や猫エイズは、FIPと同様に救命できる可能性があります。皆様諦めないでください。
長寿タンパク質であるサーチュインの作用を強めるβNMNは人、猫ちゃん、ワンちゃんの初乳に最大量含有
βNMNで、再生、免疫強化で若返り! 本来体内にあるもので副作用はありません
βNMNは、長寿タンパク質であるサーチュインの作用を強めることで、再生を促進し、かつ、免疫を強化します。βNMNの摂取で老化を抑え、様々な疾病を予防できます。βNMNは、初乳に最大量含まれ、加齢により減少しますので、サプリ等で補う必要があります。サプリでは、化学合成NMNや添加物が含まれるNMNは危険な場合もありますし、無効なαNMN等が含まれていますのでおすすめできません。添加剤等を一切含まない有用酵母産生βNMN純品がベストです。βNMNの1日摂取量は、人では1,000mg、猫ちゃんでは100mg、わんちゃんでは、100~200mgです。口腔等の粘膜からの吸収が一番良好です。なお、地球上で一番、活性酸素から生体膜を護るアスタキサンチンも、βNMNと同じ効果がありますので、βNMNとあわせて投与しましょう。
人のコロナウイルスが猫ちゃんにうつってFIPになったり、猫ちゃんのコロナウイルスが人にうつって重症化なんてありません。
基本、コロナウイルスは種(人や猫など)を選びますし、FIPや、人の新型コロナウイルス感染症重症化は、ウイルス側ではなく、宿主(人、猫)側の免疫異常に原因があります。
無配慮でセンセーショナルな事例報告で、皆さん、パニックにならいでください。狂犬病ウイルスなら、哺乳類間でうつり、致死的な結果を招きますが、基本、コロナウイルスは種(人、猫等)を選びますし、人の新型コロナウイルスが、猫にうつって猫がFIPを発症することも、猫のコロナウイルスが人にうつって人が重症化することもありません。正直、コロナウイルスは、人でも猫でも、既に蔓延しています。また、人の新型コロナウイルスの重症化や、猫のFIPの原因は、コロナウイルス側ではなく、宿主(人や猫等)側の免疫異常ですから、人も猫も、うつることを心配するより、免疫を強化することが賢明であり実効的です。
病気の回復の状態を判断したり、病気を予防する上で、最も信頼できるものは検査ではありません。
検査は重要で、診断、回復判断、予後判定及び予防のためには有用ですが、完全ではなく、不要な心配及び不安を煽る側面もあります。では一番信頼できる指標は?
一番信頼できる指標。
それは、ご家族の、毎日の鋭い”観察力”と”直観(感)”です。これに勝る指標はありません。
獣医の仕事は、教科書や学会での知見を一度分解して、吸収した後、ワンちゃんや猫ちゃんを診て、臨床経験を積み、獣医自身の知恵として再合成させ、治療や予防に反映させることです。だからこそ、コペルニクス的発想が生まれます。職人の技と言えます。
日本一の牛肉ブランドは、”宮崎牛”ですが、私は、宮崎牛作りのコンサルタントをやっていたころ、14年目に覚醒しました。宮崎牛を作るのは、マニュアルではなく、農家さん自身の匠の技だと。設計図や建築マニュアルだけでは、魅力的な家は建てられません。
それは、日本一の賞を何度も受けた、宮崎県児湯郡都農町の故 黒木学師匠が教えてくれました。その秀逸した示唆は、獣医の臨床でも、または、ご家庭においても生きています。
検査は、有用な側面と、正しい判断を見誤る側面があり、後者で、ご家族は、不要な心配や不安に苛まれます。
検査結果を、森を見て木を見るように見て、ご自身の観察力と直観(感)をフル稼働させて、ワンちゃん、猫ちゃんを護ってください。
FIP猫ちゃん、モルヌピラビルを投与しましたが亡くなりましたし、ネットでも寛解した話はほとんどききません。モルヌピラビルはダメなんでしょうか?
まず、SPARKAURAやMUTIANで軽症化してからモルヌピラビルを投与すると寛解します
ダメではないですが、
FIP猫ちゃんのほとんどが重症です。そのため、治療はじめからモルヌピラビルを投与してもみんな亡くなりますが、FIP重症猫ちゃんにも効く、GS441524を34日間投与して、軽症化すれば、モルヌピラビル投与でも寛解できます。
ただ、1~2才を過ぎると、GS441524からモルヌピラビルへの移行が難しく、モルヌピラビルが使えない場合が多いです。
あと、モルヌピラビルは、GS441524と比較して、深刻な副作用があり、投薬量を誤ると、食欲、元気がなくなり、結果、体重も減ります。肝臓だけでなく、腎臓や膵臓も障害を受け、腎臓病や糖尿病になります。腎臓病では、連日の点滴または皮下補液で、糖尿病は長期的なインスリン投与で回復します。
モルヌピラビルは、さらに、深刻な副作用を引き起こす投与量が、有効量とかなり近く、かなりの熟練を要しますますので、GS441524治療による寛解経験の少ない獣医師は、モルヌピラビル治療はやるべきではないです。
①GS441524の84日間投与
②GS441524の34日間投与➡モルヌピラビル50日間投与
いずれの治療法でも、同時に盤石な免疫を作らないと再発します。
盤石な免疫を作るには、以下の方法があります。
①新鮮なお肉由来のタンパク質
②免疫スパン
③βNMN100mg
④アスタキサンチン9mg
⑤酵母
⑥乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌などの善玉菌やその産生物
⑦オリゴ糖、アラビノガラクタン、オオバコ
⑧幹細胞培養上清液
*maomaoには、上記のうちβNMN、アスタキサンチン、酵母、幹細胞培養上清液が含まれています。
なぜ猫ちゃんは慢性腎臓病が多いんですか?予防法はありますか?
猫ちゃんはあまり水を飲みませんから、腎臓は毎日、重労働を強いられ疲弊するのが早いです
尿毒素は腎臓やその他の臓器、細胞を傷つけます。その尿毒素を濃縮する力が猫ちゃんは長けていて、それがあだとなり腎臓病になります。
つまり、
①尿毒素体外排出量=尿毒素の濃縮率(腎臓の仕事量)×血液腎臓循環量ですから、水の飲む量(血液腎臓循環量)が少ないと、腎臓を酷使して尿毒素をかなり濃縮させなければなりません。
②慢性腎臓病の病態は、
尿細管の詰まり➡慢性炎症➡壊死➡線維化➡ネフロン減少➡尿毒素の濃縮率低下➡血中尿毒素上昇➡慢性腎臓病悪化、腸内環境悪化による尿毒素産生増加➡慢性腎臓病悪化
と悪循環に陥ります。
濃縮された原尿はかなりの量の尿毒素を含み、尿細管の詰まりの原因になりますし、詰まりの原因除去に重要な役割をはたすAIMが、猫ちゃんでは全く働いていませんので、詰まりの原因が取り除かれないまま、病態が進みます。
原因から予防法は
①とにかく水分を体内にいれます。猫ちゃんにまかせてはいけません。新鮮な肉の茹で汁をさましてあげたり、その茹で汁をゼラチンと混ぜて与えたり、ウエットフード主体の食べものをあげたり、水を凍らせたペットボトルを放置したり、寒い季節は温湯をあげたりしてありとあらゆる工夫をします。強制経口給水は、猫ちゃんもご家族も極度のストレスになりますので現実的ではありません。
②猫ちゃん本来のAIMを活性化するグルタチオン(maomao)やシステイン(AIM30)を恒常的に投与する。
③腸内で悪玉菌により産生される尿毒素の量を減らす。
方法として、乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌などの善玉菌やその産生物、オリゴ糖、アラビノガラクタン、オオバコの投与があります。
来年、宮崎博士のAIMが実用化されますが、末期の猫ちゃんは、透析効果で救命できます。そのため、生涯、定期的にAIMを静脈注射する必要があります。
できれば、十分な水分摂取で、尿細管の詰まりを最小限にとどめ、かつ、猫ちゃん自身のAIMを活性化させて、慢性腎臓病または慢性腎臓病悪化を予防したいものです。
うちのワンちゃん、よく下痢します。何か対策はありますか?
腸内細菌叢の乱れは、下痢、便秘、腸内での尿毒素やアンモニアの産生、及び免疫低下を引き起こします
整腸剤、抗生剤、生菌剤または腸蠕動抑制剤等でおさまる下痢であれば、ストレス性の大腸炎(時には血便を伴います)がよく観られます。もともと腸が弱くてすぐに下痢するワンちゃん、猫ちゃんの多くは、腸内細菌叢が乱れていいて、悪玉菌が増えていますので、アンモニアや尿毒素等が多く産生され、腸粘膜のバリアも崩れ、pHも上がり、腸粘膜細胞の栄養素である酪酸などの短鎖脂肪酸の産生量も減っています。
そこで、
①善玉菌である、乳酸菌、ビフィズス菌及び酪酸菌
②善玉菌産生物
③オリゴ糖、オオバコ、アラビアガム、乳酸
などを投与して、悪玉菌を減らします。
療養食でおすすめは、ヒルズのバイオームです。
サプリでは、キューテックなどがあります。
腎臓に負荷を与える尿素や、腎臓病を悪化させるインドキシル硫酸、p-クレシル硫酸及びトリメチルアミン-N-オキシドなどの尿毒素が腸内細菌叢の乱れから増加することから、慢性腎臓病では、腸内環境を整えることは極めて重要です。
FIPは、免疫異常により発症しますので、腸内環境を整え、免疫を強化することは、FIP及びFIP再発予防につながります。
慢性腎臓病、皮下補液量が少ないと、慢性腎臓病は日に日に増悪し、ラプロス、リン吸着剤、処方食をあげても生活の質は改善しません
慢性腎臓病における体内水分不足で腎臓組織は更に壊死線維し慢性腎臓病は増悪します
慢性腎臓病では、尿として体外へでる水分は、摂取する水分よりはるかに多く、体内の水分バランスは常にマイナスで、結果、腎臓組織は壊死線維化し、慢性腎臓病は悪化します。
慢性腎臓病の病態である、尿細管の詰まり➡慢性炎症➡壊死線維化➡ネフロン減少で腎機能低下。この病態は、グルタチオン、AIM、幹細胞培養上清液、βNMN、アスタキサンチン及びラプロスで改善されますが、まずはじめに、更なる慢性腎臓病の悪化の原因である体内水分不足を、皮下補液等で是正する必要があります。これは、病態の改善、引いては、再生のスイッチであり、このスイッチがONにならないと、症状や腎機能は回復しません。
重篤なうっ血性心不全や、慢性腎臓病終末期で、尿産生の極端な減少または停止の場合は、皮下補液等は慎重投与、または禁忌になりますが、そうでなければ、3~4kgぐらいでも、毎日300~500mlの皮下補液を実施した方が症状や腎機能は回復します。
多くの獣医が懸念する、高血圧による失明、肺水腫または貧血進行による低酸素症などの副作用は、弊クリニックでは経験はありません。
処方食は、腎臓への負担を軽くする栄養成分になっていますが、旨みが少なく、食べてくれない猫ちゃんがいます。そうしますと、まず、自身の脂肪を、次に筋肉を分解しますので、高タンパク質のごはんを摂取していることと同じになります。
十分な皮下補液で体内水分不足を是正し、グルタチオン、AIMとあわせて尿細管の詰まりを除去し、ラプロス、NMN、アスタキサンチンで慢性炎症を抑え、壊死線維化した線維部分を幹細胞培養上清液で溶解し、NMN、アスタキサンチン、及び幹細胞培養上清液で再生させる、積極的な治療を行えば、猫ちゃん本来のごはんであるお肉をあげるほうが、よく食べてくれますし、生活の質は維持されます。
お肉のリン含量が気になる方は、イパキチン、キドキュアまたは炭酸ランタンを投与すれば解決です。
慢性腎臓病の治療
1.再生の環境づくり
(1)腎臓内尿細管の詰まり除去
集中大量皮下補液
グルタチオン
AIM
(2)慢性炎症抑制
ラプロス
天然アスタキサンチン
天然NMN
(3)壊死線維化部の線維溶解
幹細胞培養上清液
2.腎臓細胞•血管の再生
天然NMN
天然アスタキサンチン
幹細胞培養上清液
3.腎臓病を悪化させる尿毒素、インドキシル硫酸をさげる。
ラクツロース。
大型犬で老化が早く足腰が弱っています。何かできることはありますか?
長寿タンパク質、サーチュインで老化を遅らせ、ワンちゃん本来のお肉をあげましょう
老化を遅らせることはできます。それは、長寿タンパク質であるサーチュインを働かせることです。
また、老化や、多くの病気の原因である活性酸素から生体膜、ミトコンドリア、遺伝子を護ることも肝要です。
大型犬でしたら、天然NMN200mgとアスタキサンチン9mgを投与します。
この他、肉食動物であるワンちゃんは、本来、植物性タンパク質ではなく、お肉由来のタンパク質を摂取すべきです。
お肉はまだ明らかになっていない力があります。
天然NMN200mg、アスタキサンチン9mg、そして、赤肉をあげますと、若返り、癌などの病気も予防できますし、明らかに、元気がでて、筋肉がつき、足腰がしかっりしてきます。毛艶、表情等もよくなります。
人のCOVID19のお薬、モルヌピラビルを、FIP猫ちゃんの治療に”はじめから”使いたいのですが。
FIP猫ちゃんの多くは、人のCOVID19の重症患者と同じです
人のCOVID19の治療では、重症患者には、レムデシビル(GS5734で、体内でGS441524に代謝され活性を示します)を投与し、軽症、中等度の患者には、重症化しないようにモルヌピラビルを投与します。
FIP猫の治療薬を販売している会社は、FIPのタイプやステージを示していますが、臨床では、血液検査や超音波検査だけではFIPのタイプやステージを決めることができない場合が多く、ほとんどが、重症患猫です。よって、モルヌピラビルを治療開始から投与しても、ほとんど救命できず、はじめの34日間はGS441524で軽症化してから、モルヌピラビルを50日間投与しますと、寛解できます。
ただ、モルヌピラビルは、副作用が、比較的早期に強くでるため、厳密な投薬量の設定が重要になります。ちなみに、FIPの世界的権威である、Dr Pedersenが自身のホームページで言及するモルヌピラビルの投与量ではみんな亡くなりましたので、弊クリニックでは、効果的、かつ、副作用を最小限に抑える、独自の投与量を決め、みんな生存して元気です。
GS441524 21日間投与➡モルヌピラビル50日間投与。このプログラムは、弊クリニックオリジナルの治療法で、回復、寛解して、今のところ、再発や重篤な副作用は観られません。
AIM30というフードやチュールに慢性腎臓病に効くAIMは含まれていますか?
AIMは静脈注射用で、AIM30というフードやチュールにはγグルタミルシステインが含まれています
末期の慢性腎臓病猫ちゃんも救命できるAIM。
残念ながらAIM30というフードやチュールにはAIMは含まれていません。まぎらわしい表示ですよね。
AIMは、来年か再来年に製品化される静脈注射用のお薬で、慢性腎臓病治癒の足がかりになる、腎臓内の尿細管の詰まりを除去しますし、末期の慢性腎臓病猫ちゃんでも、血液中尿毒素を除去する、透析効果で救命できます。
末期の慢性腎臓病猫ちゃんは、AIMの透析効果で救命できますが、腎臓内の尿細管の詰まりを除去して腎臓を再生することは難しいかもしれません。
しかし、
PUPPY CAT CLINICでは、猫ちゃん自身のAIMをグルタチオンで活性化させ、かつ、AIM製剤を静脈注射することで、腎臓内の尿細管の詰まりを除去し、アスタキサンチン、βNMN及びラプロスで慢性炎症を抑え、幹細胞培養上清液で壊死線維化した患部の線維を溶解し、最後に、βNMN、アスタキサンチン及び幹細胞培養上清液で腎臓の血管や細胞を再生させることをチャレンジしています。
AIM30というフードやチュールには、AIMが含まれているのではなく、γグルタミルシステインが含まれています。
猫ちゃんにも生来、AIMがあるのですが、血液中でIgMというタンパク質と強く結合しているため、生涯、尿中に出て働くことはありません。そのため猫ちゃんには慢性腎臓病が多いと推察されています。
γグルタミルシステインは、猫ちゃん本来のAIMをIgMから切り離し、AIMを尿中に出し、結果、慢性腎臓病の病態である腎臓内の尿細管の詰まりがとれ、再生の足がかりが整います。
γグルタミルシステインはグルタチオンの前駆体で、グルタチオンも同じく、猫本来のAIMをIgMから切り離しますので、PUPPY CAT CLINICでは、グルタチオンを用いています。
尚、グルタチオンは、国内では薬剤ですが、アメリカでは、サプリとして販売されています。ただ、サプリは添加物が含まれていますので注意が必要です。例えば、αリポ酸は猫ちゃんには有毒ですから、αリポ酸入りのグルタチオンサプリは危険です。
うちのワンちゃん長年治療しても皮膚がボロボロ真っ黒です
ワンちゃん本来の自然治癒力を強化してみましょう
皮膚病の原因はたくさんあり、シャンプー、処方食、塗り薬、飲み薬、注射でも、なかなか治らないワンちゃんはいます。
そういうワンちゃんは、ワンちゃん本来の自然治癒力に期待しましょう。
PUPPY CAT CLINICでは、皮膚病のさまざまな原因を否定した上で、シャンプーに加えて、幹細胞培養上清液の静脈注射を行って治療しています。
この幹細胞培養上清液は、免疫を調整して、ワンちゃん本来の自然治癒力を強化し、治癒に導きます。
これで痒みとさよならできたらいいですね。
うちのワンちゃんのフィラリア薬、検査なしで買いたいです
フィラリアが寄生していますとお薬でショックを起こしますので
フィラリアが寄生していますと、ショックを起こすお薬がありますので、毎年、検査をおすすめします。
フィラリア薬でフィラリアの子虫(ミクロフィラリア)が死滅し、ショックを起しますので、どの予防薬もフィラリア検査をした方がいいですが、前年度の予防期間に確実に予防薬を投与されてれば検査は要らないと思います。
あと、モキシデクチンでしたら、体重1kgあたり2μgならミクロフィラリアは死滅しないと言われていますので、検査なしでも投薬できるかもしれません。
ただ、個体差がありますので、自己責任で予防すべきですし、
安全性の高いモキシデックでも、一年間有効の注射液を投与される場合は、必ず検査が必要です。
慢性腎不全の猫ちゃん処方食を食べてくれません
猫ちゃんは肉食動物、タンパク質の旨みがなければたべません
みなさん、旨み成分、味の素をかけますよね。美味しいですよね。
猫ちゃんは、人よりはるかに旨み成分に敏感です。
みなさんみたいに、お肉を味付けしなくても、猫ちゃんは美味しそうに食べますよね。
猫ちゃんに躾が不可能なように、慢性腎不全だから食べてちょうだいとお願いして食べてもらうの無理です。
そりゃ、慢性腎不全の猫ちゃんの多くが、旨い旨いと喜んで食べてくれる処方食があればBESTですが、ほとんどの処方食は、一番大切な、旨みの部分が欠落しています。
でも、タンパク質制限しないと、腎臓がますます悪くなってしまいます、という声が聞こえてきます。
猫ちゃんは、ごはんを長期に食べないと、まず、自身の脂肪を削り、エネルギーをつくり、かつ、水分をつくりますので、一見よさそうですが、ひどいと、脂肪肝になります。
脂肪の少ない猫ちゃんは、次に自身の筋肉を削ります。
そうです。高たんぱく質のごはんをたらふく食べているのと全く同じことなんです。危ないです。
つまり、”食べてくれない”処方食は意味がなく、スパルタすれば、猫ちゃんの慢性腎不全は悪化しますのでむしろ害です。
腎臓の慢性炎症を抑制し、腎臓細胞・血管の再生する治療を行い、キドキュア、イパキチンなどのリン吸着剤をやりながら、かつ、できるだけ多量の水分を摂取する工夫をして、猫ちゃんが最高に幸せな猫ライフを楽しめるように、
新鮮な肉を湯通しして、味付けしないで、猫ちゃん用・人赤ちゃん用粉ミルクを振りかけてあげたいですね。人赤ちゃん用ミルクで下痢する場合は、乳糖に弱い猫ちゃんですから、ノンラクト、乳糖なし粉ミルクをあげるといいですね。
難治性疾患を治す再生医療は動物病院でも行われています
PUPPY CAT CLINICは幹細胞培養上清液とサーチュインで難治性疾患を治療します
幹細胞培養上清液やサーチュインは細胞、組織、臓器を再生させます。
血管、神経を再生させるほか、免疫力を増強・調整しますので、慢性腎不全、難治性皮膚炎、神経麻痺、起立・歩行困難、糖尿病、癌などの難治性疾患が治癒し、かつ、老化が抑制されます。
PUPPY CAT CLINICでは、サーチュインの作用を強めるβNMN、サーチュイン遺伝子発現量を増すアスタキサンチン、
そして、濃縮幹細胞培養上清液を用いて再生医療に取り組んでいます。
猫のコロナウイルスと人のCOVID-19の最善の予防・治療法
コロナウイルスはRNAウイルスで変異しやすくワクチンは効かなくなります
コロナウイルスは、RNAウイルスで、インフルエンザウイルスと同様に変異しやすく、ワクチンが効かなくなります。
また、コロナウイルス感染症が重篤になり亡くなる理由は、宿主側(猫ちゃん、人)の免疫力が弱く、免疫の暴走(サイトカインストーム)が起きて、最後は、血栓ができるからです(DIC)。
そのため、コロナウイルス感染症の一番有効な予防・治療法は
①盤石な免疫力をつけます
βNMNで長寿タンパク質であるサーチュインの作用を強化し、アスタキサンチンでサーチュイン遺伝子発現を増します。
②コロナウイルスの増殖を抑えます
GS441524など
人のCOVID-19の経口薬は猫FIPにも効きます
PUPPY CAT CLINICは取り扱い病院です
人のコロナウイルスの経口薬、モルヌピラビルは核酸アナログでウイルス増殖を抑制
モルヌピラビルは、GS441524と同様に猫ちゃんのFIPに効果がある核酸アナログですが、
重篤な副作用がほとんどないGS441524と異なり、モルヌピラビルは、細胞毒性が強く、肝臓や腎臓を傷害しますし、治療はじめからモルヌピラビルを投与しても救命できませんので、
GS441524を34日間投与して軽症化してから、モルヌピラビルを50日間投与する治療法をおすすめします。
ただ、2才を過ぎた猫ちゃんでは、モルヌピラビルは効かない場合が多いようです。
猫ちゃんの投薬方法
これで、みなさんの投薬ストレスを軽減
その奇跡の薬は、免疫細胞のマクロファージを死なせないタンパク質
慢性腎不全の予防、慢性腎不全悪化の抑制、血液中尿毒素の除去により長寿
猫に多い慢性腎不全。その原因は尿の通り道のつまり。
そのつまりの予防と除去で、慢性腎不全を予防でき、かつ、慢性腎不全の悪化を抑えられます。また、透析のように、血液中尿毒素を除去すると重篤な慢性腎不全猫ちゃんを救命できます。結果、寿命が延びるというわけです。取り除くマクロファージにつまりの場所を知らせ、かつ、マクロファージが早死にしないように働くのがAIMで、血液中尿毒素を除去する働きもあります。
ただ、このAIMは、猫の場合、血液中でIgMというタンパク質とかなり強く結合していて、尿にでないので、猫では慢性腎不全が多いと言われています。
重篤な慢性腎不全の猫ちゃんに、マウスのAIMを投与したところ、8日ほどで、食欲、元気が回復したようです。ただ、投与されたマウスAIMは、尿のつまりをなくして腎機能を回復させたのではなく、血液中の尿毒素を除去した(透析と同じ働き)ため症状が改善したと考察されています。腎臓機能が回復したわけではないので、マウスAIM投与を中断したら亡くなったそうです。
今、ベンチャー企業、(株)レミアが、来年の販売へ向けて準備をしているようです。ただ、製剤AIMに抗体ができて、効かなくなるとも懸念されています。
グルタチオンは、猫の血液中にある、AIMをIgMから切り離し活性化する働きがあり、グルタチオンの前駆体であるγグルタミルシスチンをドリアンから抽出してフードに入れる計画があるようです。
弊クリニックでは、AIMが販売前ですので、まず、AIMからIgMを切り離し活性化するグルタチオンを用いて治療しています。ただし、重篤な慢性腎不全の猫ちゃんでは、IgMと結合したAIMがあるうちは、劇的に回復しますが、そのAIMが枯渇しますと亡くなります(症例コーナーをご参照ください)。つまり、グルタチオンを用いた治療は、慢性腎不全の予防と慢性腎不全の悪化の抑制に限ります。
初乳でワンちゃん、ネコちゃんの寿命は決まります
初乳は、生存スイッチ、長寿スイッチを入れます
出産日一日だけの乳を初乳といい、次の日からの乳は成乳といいます。
初乳は、羊水に近い成分で、胎便を出す働きがあります。免疫細胞や免疫物質を含むタンパク質、ビタミン及びミネラルの宝庫で、脂肪や乳糖の含量は少ないです。
あと、長寿タンパク質であるサーチュインの作用を強めるβNMNが一生分含まれ、全ての細胞の生存スイッチや長寿スイッチを入れます。
ですから、初乳の摂取量が少ないと、ワンちゃんやネコちゃんは、下痢になりがち、風邪を引きがちになり、最悪、突然死します。この突然死は、子猫ちゃんではよく観られ、元気で食欲もあり、下痢もなく、風邪も引いてなかったのに、次の日亡くなる場合があります。
高齢のワンちゃん、ワンちゃんの便秘解消法
甲状腺機能低下、慢性腎不全、糖尿病などの疾病がない場合は、水分補給、腹部マッサージ、運動、ストレスの点検と低減、オオバコ(サイリウム)や青汁粉末の給与などがあります。
また、爪切り後に手袋をして、ジェルやオイルを肛門と直腸に塗り、直腸にある糞を少し取る方法も効果的です。
肥満とダイエット
肥満は人と同じで、身体に良いことは何もありません
肥満のワンちゃんとネコちゃん、警戒すべき病気は糖尿病です。また関節や背骨に負担をかけますし、熱中症にもなりやすくなります。チワワやパピヨンでは膝蓋骨脱臼が、ダックスフンドやコーギーでは椎間板ヘルニアが多いですので、肥満は避けるべきです。
ダイエットの方法は人と同じですが、散歩などによる運動は関節や背骨を痛めやすいため、可能なら水中歩行などが良いと思います。
ワンちゃんやネコちゃんは肉食動物ですから、野菜を用いたダイエットはおすすめできません。野菜は胃腸障害を引き起こすだけでなく、尿石の原因のひとつであるシュウ酸が多いためです。
肥満のワンちゃんとネコちゃんは一日の栄養必要量が増していますので、ごはんの絶対量を減らすと我慢できず、ゴミなどを漁ったり異物を摂取したりする危険性があります。
栄養成分を考えます
そこで、ごはんの絶対量を大幅に減らすのではなく中身、つまり「栄養成分」を考えます。
パン、お菓子、米、イモなどのでんぷん質の食べ物(体内で、ぜい肉の本態、中性脂肪になります)は控え、脂身を除いた肉を主体に給与すると良いです。
牛肉や豚肉ならモモ肉、鶏肉なら胸肉などを湯通ししたり焼いたりして、味付けなしで与えます。ビタミンやミネラルは、従来のフードや市販の人用マルチビタミン・ミネラルで補います。
肥満を嫌って1~1歳半の成長期に食事制限する方がいますが、成長期は基礎代謝量が多いですので、肥満より栄養不足になることが心配です。
肥満とは関係ないのですが、成長期のワンちゃんやネコちゃんで栄養度(肉付き)の低い場合が多いです。
問題なのは飼い主さんが気づいておらず、異物摂取による腸閉塞、中毒を起こしてしまうことです。
栄養度の指標に、BCSがあります
5段階では1が痩せすぎ、5が肥りすぎです。3が適正ですが、ダックスフンドの場合は椎間板ヘルニアを警戒して2.5くらいがおすすめです。
BCS判定の方法は、かかりつけの獣医師にお尋ねください。
ネコちゃんのカニさんアワ吹き
ネコちゃんのアワ吹きとは、専門的に言えば流涎(りゅうぜん)です。
多くは食欲不振・廃絶をともない、胃腸疾患、脂肪肝、てんかんなどの病気の場合にみられますが、ネコちゃんの性格によっては極度のストレスがかかった場合にもみられます。
例えば、お家でのワクチン接種後などです。この場合、緊急性はありませんのでご安心ください。あまり構わず、自由に安静にさせてください。
ネコちゃんの猫風邪、肺炎
猫風邪は、主にヘルペスウイルスやカリシウイルス、クラミジア、細菌が原因で発症します。子猫は肺炎になり亡くなりますので迷わず動物病院へお越しください。
成猫は、エイズ・白血病罹患猫を除いて、猫風邪で亡くなることは滅多にありません。
しかし、猫風邪の原因のひとつであるヘルペスウイルスは、感染猫の8割で一生身体から出て行かず、ワクチンを投与していても常に目や鼻の症状(目やに、結・角膜炎、鼻水、くしゃみ、鼻詰まりなど)がみられます。
鼻詰まりで嗅覚が使えず、ごはんを食べなくなる場合は衰弱死しますので、動物病院で鼻の洗浄と薬液投与をやってもらいましょう。
また、子猫時代に猫風邪をこじらせたネコちゃんは喘息になりやすいため、肺がしぼまない肺気腫(吸った空気を出せなくなる呼気性呼吸困難)にならないよう、定期的に気管支拡張剤、ステロイド剤、抗生剤で治療しましょう。
※猫喘息は、ひどくなると呼気性呼吸困難を起こす肺気腫になります。
しかしその多くは発作性で、症状が出ない日もあります。発作時間が長くなったり、発作頻度が増えたら治療しましょう。
ネコちゃんのしつけは不可能です
犬や人の子どものようにしつけようと無理すると、ネコちゃんは凶暴化するか、ストレスで病気になります。
ワンちゃんや人の子どもは、愛情や関心がなくなったり減ったりすることが最大級のストレスで、それが原因で病気になってしまいます。その性質を利用してしつけることは可能ですが、
ネコちゃんは、性格が全く異なります。
そのため、しつけは不可能です。
ネコちゃんはトイレも上手ですしあまり構う必要がなく、比較的飼いやすいと言われています。時には爪研ぎで壁や柱を傷つけたり、飼い主のお気に入りの布団、クッション、ソファ、衣服に排尿したりしますが、これらをしつけでやめさせることは無駄です。
しつけられたネコちゃんは、凶暴になるかストレスで病気になりますし、飼い主さんも精神がおかしくなり、引いては体調まで崩してしまいます。
対策はひとつです。まず、そのような行為は諦めて賢くなり、壁や柱を防御したり、排尿しそうな生地の布団、クッション、ソファ、衣服にプラスチックを被せたりします。
ちなみに、布団などについた尿の臭いは熱湯または次亜塩素酸をかけると消えますが、次亜塩素酸はガスに発がん性があります。十分に注意して熱湯をかけて脱臭される方が良いと思います。
ワンちゃん、ネコちゃんの下痢、鮮血について
多くはストレスや発熱が原因です
確かに下痢は重大な病気の症状ですが、診療現場でみられる下痢の多くは、ストレス性のものやストレスによる発熱が原因でみられ、加療によく反応します。
また、ストレス性の大腸炎ではひどくなりますとよく鮮血がみられ、悲観的になる飼い主さまが多くいらっしゃいますが、こちらも加療によく反応しますのでご安心ください。
ただし子犬、子猫の下痢は、原因のいかんを問わず脱水で衰弱死する場合があるため、一日も待たずに動物病院へお越しください。
上記のとおり、ストレスに弱いワンちゃんやネコちゃんは、大腸性の下痢や膀胱炎になったり被毛や皮膚を舐めたり、ひどい場合は尾かじりをしたりします。症状の出方は個体によって違います。
ストレスを減らしたり、性格を変えることは現実的ではありませんので、実際の対応は「早期発見早期加療」がベストです。
ワンちゃんが感じるストレス
- お留守番(家族と離れる時間)が長い
- 皆さまの関心や愛情が薄れる
- トリミングやホテル、動物病院
- 子どもや犬と遊びすぎる
- 一日の気温差、気圧差
- 雷などの重低音
- 近所・家の工事
- 家への人の出入り
- 花火、etc.
ネコちゃんが感じるストレス
- トリミングやホテル、動物病院
- 子どもが絡む
- 新参猫
- 一日の気温差、気圧差
- 雷などの重低音
- 近所・家の工事
- 家への人の出入り
- 花火、etc.
神経過敏なナイーブなワンちゃんやネコちゃんは、下痢を繰り返します。
診療の流れ
獣医師はまず、問診、視診、触診、時には超音波診断結果から、重大な疾病である、子宮蓄膿、アジソン、糖尿病、微生物、甲状腺機能亢進症(猫の場合)、膵外分泌不全、異物摂取、食餌性、食物アレルギー、熱中症、腸重積・捻転などを否定します。
次に、ストレス性の大腸炎と仮診断して加療します。改善がみられなければ、慢性膵炎、炎症性腸炎(IBD)、腸吸収不全、腹くう内腫瘍による血行不全、消化管リンパ腫、肝硬変などの重大な疾病の検査と加療をします。
ワンちゃんやネコちゃんがごはんを食べない…
それは病気?
もちろん病気の場合がほとんどですが、元気なのに食べない場合があります。これは好き嫌い、嗜好性の問題です。
見極め方は、ワンちゃんやネコちゃんが大好きな本来のごはん、つまりスーパーで売っている新鮮な牛肉や豚肉、鶏肉を湯通ししたり焼いたりして、味付けなしで与えることです。
ネコちゃんと初めて暮らす皆さまへ
オスなら尿道が詰まり、膀胱から排尿ができない尿閉に、メスなら乳腺腫瘍に注意してください。尿閉は1日でも排尿していなかったら、すぐに病院へ連れてきてください。3日で亡くなります。乳腺腫瘍は8歳を過ぎた段階で、時々胸から下腹部まで触って確かめてください。乳腺腫瘍は石の硬さですからすぐに分かります。ネコちゃんの乳腺腫瘍はほぼ悪性、つまりがんで、2年で肺へ転移し亡くなりますので、早期発見早期摘出手術をおすすめします。
オス、メスともに、生まれつき腎臓に問題を抱えて生まれてきます。人の40%の力しかありませんし、健全な腎臓に必要な水をあまり飲みません。ですから、慢性腎臓病が圧倒的に多いです。腎臓を治す薬はありませんので。
とにかく、人が作った味の濃いごはんや、人のかつお節を与えないことです。また、水分を摂る工夫もしていただきたいです。ドライだけじゃなく、水分含量が70%以上あるごはんも与えます。肉汁をドライにかけたりするのも良いでしょう。
水は新鮮なもの、冬は温める、ペットボトルに入れて凍らせたりします(遊び感覚で、ペットボトルの水滴を舐めます
)
ワンちゃん、ネコちゃんは肉食動物です
牛や人と比べたらはるかに腸が短く、野菜を消化できる機能が少ないです。ですから、植物由来のタンパク質の多い市販のドッグ・キャットフードより、動物由来のタンパク質の多いごはんをあげる方が自然ですし、本来の自然治癒能力も高まります。加工品ではなく、スーパーに売ってるフレッシュなお肉を湯通しして与えるのがベストです。
学者の研究によると、ワンちゃんやネコちゃんが好きなお肉BEST5は、1位は山羊、2位は牛、3位は豚、4位は鶏、5位は魚です。
そうです。猫は魚が好きなわけではありません。これは、日本の食文化とサザエさんの影響だと思われます。
さて、注意点があります。湯通し後のお肉は、絶対に絶対に味付けしないこと。味付けしますと、間違いなく腎臓がダメになりますから。
また、お肉だけだとビタミンやミネラルが不足しますので、人の赤ちゃん用の粉ミルク(下痢する場合は乳糖フリーの粉ミルク)または人のマルチビタミンとマルチミネラルのサプリメントを加えて補います。これで完全食です。
ワンちゃんとネコちゃんは生まれつき腎臓が弱く、犬は人の60%、ネコはなんと40%の機能しかありませんから、水分含量を増やす工夫が必要です。
これで現在動物病院で圧倒的に多い皮膚病や慢性腎不全などは減ると思います。
また、高齢で特に慢性疾患がないワンちゃんやネコちゃんであれば細胞がみなぎります。立てないワンちゃんやネコちゃんでも立てるようになり、かつ毛艶などが良くなります。
いずれにせよ「あっ」と感じる変化があります。私の経験では、21歳の柴犬が立てました。
扇風機は、熱中症対策にはなりません
高齢になりますと、熱調整が苦手になり暑さに弱くなります。ワンちゃんは、人のように水の汗をかきませんので、扇風機は全く意味がなく、熱中症対策にはなりません。扇風機はむしろ、25℃以下設定のエアコンを使う際、空気を循環させることでワンちゃんのいる空間を冷やしすぎないために用います。つまり、寒さ対策です。
熱中症対策として、エアコンの他に、風通しの維持、直射日光による輻射熱を遮る寒冷紗などの設置、熱伝導が良いアルミボード、大理石ボードの設置、凍った水が入ったペットボトルの設置、冷たく新鮮な水の常時給与などがあります。
なお、エアコンの温度設定でエコ設定の28℃は暑すぎます。皮膚病のワンちゃんやネコちゃんは、23℃以下の設定が必要です。
エアコンの寒さからの逃げ場としてエアコンがあまり効かない空間を設け、行き来が自由にできるようにしましょう。